人間用休止板
ただのスーパーの備品を、個人の精神的結界として大真面目に使う
PRESS RELEASE ARCHIVE
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ただのスーパーの備品を、個人の精神的結界として大真面目に使う
氷を冷やすでも作るでもなく、ただ角を丸く美しく研ぎ続けることだけに全力を注ぐ。
口先だけの決意を止めるためだけに、軍事級の迎撃レーダーと老舗料亭の煮込み技術が完全融合していること
ハンコでもサインでもなく、部長が黙ってヨーヨーを犬の散歩させてから決裁が下りる。
中身は全部白紙なのに、角はすり減り、ゴムバンドは伸び切り、コーヒーの輪染みまで先に入っている。
土産、切符、実家の玄関写真、親戚用の近況メモが全部アリバイとしてよく出来ているのに、使うたびに白状の準備を勝手に進める。
持ち主は何も見えていないのに、周囲だけが「ごきげん」という言葉そのものを見て、少しだけつられて機嫌が丸くなる。
世界中には届いているのに、自分の画面だけ何もなかった顔をするため、確認できずに同じ投稿をもう一回押したくなる。
怒り、嫉妬、焦り、恋を隠すほど、体から番号札が長く出て、頭上に窓口番号が光り、感情係が事務的に呼び出す。
家庭内の一言が、急に記者会見前の沈黙になる
1回目で差し込もうとするその瞬間、持ち主の周囲の時間が15秒間だけ強制停止し、脳内で『どうせ逆だ』と確信するまでの猶予を無理やり作らされる
食べたはずの自分の腹が減り、相手が「何も食べていないのに脂汗をかいて胃もたれする」感覚のスワップ現象を引き起こす
正式な分類は「小粒」なのに、全長2.9メートルある。しかも重さは0.4グラムで、家の中に大きくいるわりに、たまに少し浮く。
いい大人の戸締まり不安を、幼稚園のお点呼・はなまるシールという可愛い演出で処理し、褒められたくて家を出られなくする
誰かが先に動こうとすると、3.7秒前の「いえいえ、どうぞ」に戻る。戻ったことは全員うっすら覚えているので、さらに丁寧になる。
本来はコップの結露が残す丸い跡が、コップを置く前に机へ現れる。あとから人間の手がなぜかその輪の中心にグラスを置いてしまう。
本人が何も書かなくても、蛇口の音、ため息、冷蔵庫の開閉音、リモコンの連打音が味に変換され、エンディングノートの各ページにしみ込む。
退化の細かさだけが3,600,000,000,000段階あり、「立てない」「しゃべれない」「箸が何かわからない」が豆電球の明るさみたいに微調整される。
うれしさを冷蔵保存して、調子に乗る前に冷やす
カメムシ6億匹分の悪臭をマッハ5の指向性で放ち、本人は完全無臭
距離は生まれないが、本人の足元だけ離島になる。
絡まりを防ぐのではなく、絡まりを育てる。ほどこうとすると、その日のどうでもいい記憶まで少しほどけてしまう。
攻撃的なニュアンスを訂正せず、注意もせず、ただ小さい園児として入園させ、紙の布団で寝かせる。
「健康意識が高い」という言葉を物理的な高さに変換し、冷蔵庫の上に白い塔として伸ばす。中にピザやプリンが入るほど、外側には『断食3日目』『腸を休ませています』という札が増え、自動投稿も勝手に静かな修行口調になる。
気遣いをなかったことにするのではなく、周囲に「いま年寄り扱いされました」と拡声し、その直後に本人へ若者ぶった反撃動作を強制する。
装着者は世界的スターの気分だが、端から見ると何もない虚空に向かって手を振り、突然眩しそうに目を細める完全な不審者となる点。
会議、通勤、家族旅行、誕生日まで速く終わるが、記憶は通常速度でしか残らないため、稼いだ時間のぶんだけ人生の説明欄が空白になる。
相手のマウントの度合いが強いほど、変換される生物の知能指数が段階的に下がり、最終的に単細胞生物の分裂音になる。
キャンセル操作を「強がり」と判定するため、少し眉を寄せただけで照明、空調、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、テレビが一斉に保護行動を開始し、本人の意思より先に家が介入する。
本人専用の網膜追従フィルターにより、本人の目にだけは死の1ヶ月前まで「普通の写真」に見え続ける悪辣な仕様
発言を阻止するためだけに首に12.5kgの油圧ユニットを常時装着させ、未来の決意を物理的な苦痛で強制キャンセルする異常な執念。
楽しかった記憶成分を99.997%除去し、思い出の嫌な部分だけを舌に残す。
隠したいほど文字が大きくなり、建前を言うと背面にも追記されるため、沈黙より情報量が多くなる。
話の内容は一切解析せず、沈黙、怒号、乾杯、退室のすべてに同じ相槌を返す。
デジタルデトックスの判定にスマホ操作が必須で、15分ごとに未使用証明の写真13枚、反省文300字、位置情報の再確認を求められる。
1時間に27分以上スクロールすると端末が4.8kg化し、表面が42.195℃になり、画面から『また他人の昼飯?』という湿った通知紙がにじむ。