ダブルバレル株式会社は、帰省アリバイ自白箱『ただいま未遂』を2026年6月6日に発表した。本製品は、地元銘菓風の菓子箱・新幹線半券・実家玄関前写真・親戚用近況メモという四点のアリバイ一式を内包し、いずれも精度の高い仕上がりとなっている。使用者がこれらを実際に活用するごとに、各アイテムの内部から「帰省していない」という事実を示す断片が物理的に出現する仕様となっており、アリバイの完成度が上がるほど自白の準備も同時に進む。アリバイを整えながら自白が整う、この二重進行が本製品の基本動作である。
製品概要
帰省アリバイ自白箱『ただいま未遂』は、地元銘菓風菓子箱・新幹線半券・実家玄関前写真・親戚用近況メモの四点で構成されるアリバイ一式である。各アイテムは使用されるごとに内部から「帰省していない」という事実の断片を物理的に出現させる。アリバイを完成させようとする行動が、そのまま自白の完成へ直結する。
提供する体験
私は5月6日の朝8時12分、会社の給湯室で地元銘菓っぽい箱を開けた。課長に「帰ってたんだ」と言われて、ああよかった、と思ったら包装紙の内側から小さい紙が落ちた。「帰ってません」とだけ書いてあった。拾うふりをしてポケットに入れて、その日の午後はずっとそれを持ち歩いた。昼休みに母に電話して、全部言った。お菓子は普通においしかった。それ以来、私は連休明けに手土産を配らなくなった。つまり今は、帰ったか帰ってないか、誰にも分からない人間になっている。
使用方法
同梱の四点を任意の順で使用する。菓子箱は開封時に包装紙の内側を確認すること。半券は改札印の盛り上がりが「未乗車」表示に変化した時点で使用済みとみなされる。写真は送信前に影の方向を拡大確認する必要があり、影が室内方向を向いている場合、吹き出しが自動生成される。近況メモは筆跡が安定しているほど添削が入る確率が上がる仕様のため、丁寧に書くほど完成が遅れる。四点すべてを使い切った時点で、本製品の動作は完了する。
仕様
想定希望小売価格: 8,708,540円(税込)
・同梱の偽半券は、親族の名前を聞くと約4.7秒だけ『未乗車』が浮き出る
・土産袋の底から落ちる謝罪札は全108枚、うち17枚だけ字が少し震えている
・玄関前写真の自分の影だけ、実家の方角を向かずに6度だけ部屋の方へ傾く
・『気まずい空気』は小袋入りで760ml、開封後は机の上で薄く平たくなる
・説明書の最終ページだけ紙厚が3mmあり、捨てるときに妙に罪悪感がある
開発秘話
弊社の社員が年末に帰省せず、翌週の昼休みに『駅前のあの店、まだある?』と母から聞かれて、口の中で『ある』と『知らない』が固まったのが発端です。そのとき机に置いていた土産風の空箱から、なぜかレシートだけが落ちてきました。そこに何も買っていないことがはっきり印字されていて、これは証拠ではなく白状の補助具だと判断しました。
試験協力者の声
「土産が先に謝った」 私は5月6日の朝8時12分、会社の給湯室で地元銘菓っぽい箱を開けました。課長に『帰ってたんだ』と言われた瞬間、包装紙の内側から小さい紙が落ちて、『帰ってません』とだけ書いてありました。拾うふりをしてポケットに入れたけど、昼休みに母へ電話して全部言いました。お菓子は普通においしかったのに、★1
「半券が正直すぎる」 俺は8月15日の21時40分、リビングのテーブルに偽の新幹線半券を置いて、父からの電話に出ました。『何号車だった?』と聞かれて半券を見たら、改札印のところがぷくっと盛り上がって『未乗車』になっていました。娘がそれを指でなぞって黙ったので、俺も黙りました。翌朝、父に謝れたのに、★1
「写真の影に負けた」 私は1月3日の夕方5時、店を閉めたあと、実家の玄関前に立った風の写真を親戚LINEに送ろうとしました。送信前に画面を拡大したら、私の影だけ畳んだ洗濯物みたいに部屋の方へ戻っていて、吹き出しで『行ってない』と出ていました。自分で打つ前に言われると腹が立ちます。でも助かったのに、★1
広報から
あら、まだ「なぜ白状させられるのに買うのか」とご不審でいらっしゃる? まあ、不躾なご疑問ですこと。アリバイが精巧であればあるほど、そこから出てくる「帰っていない」の断片も等しく精巧になる、という当然の設計に気づいていらっしゃらないのかしら。使うたびに証拠の質が上がり、白状の質も上がる……それをお洒落と呼ばずして何と呼ぶのでしょう。もしやお客様、ご自身がどちら側の精巧さを先に受け取るか、まだご判断がおつきでいらっしゃらない……? ふふ、それもまた、節穴のひとつかと存じますわ。
企業広報責任者 白峰ミツキ