ダブルバレルは2026年6月4日、投稿送信と同時に送信者本人の画面からのみ投稿表示を消去し、机上の小型ランプを一回点灯させる装置「送ったような気配」を発表した。受信者側の表示には一切影響せず、投稿は正常に配信される。送信者は自身の画面で投稿の存在を確認できないため、未送信と誤認し、同内容の再投稿を行う傾向が確認されている。本装置はこの一連の挙動を、設計された動作として提供する。
製品概要
「送ったような気配」は、投稿ボタンの押下を検知した瞬間に送信者本人の画面から投稿表示を非表示とし、卓上の小型ランプを一回だけ点灯させる装置である。投稿は受信者側へ正常に届くが、送信者は自分の画面で確認できないため、送信の成否を判断する手段をランプの記憶のみに委ねることになる。この状態が、同一内容の再投稿を繰り返させる。
提供する体験
私は5月28日の12時43分、弁当を食べながら『午後も空いてます』と投稿した。押したらカウンターの下でランプがふっと光った。でも画面には出ない。念のためもう一回書いた。さらに不安になって写真つきでもう一回出した。14時に常連さんが「そんなに空いてるなら来たよ」と言って入ってきた。ありがたいんだけど、俺の昼休みの分だけ見えなくなってたから、結果的に俺は昼に三回「空いてます」と言い続けた男になった。
使用方法
装置を机上または作業台の手の届く範囲に設置し、使用する端末と同一ネットワーク上で起動する。以降の操作は不要で、対応アプリから投稿を送信するたびに自動で動作する。送信者の画面への非表示処理はランダムなタイミングではなく、送信の瞬間に必ず実行される。ランプの点灯は一回のみで、点滅・再点灯はしない。「届いたか確認したい」という理由での再送信を装置が止めることはなく、再送信した場合も同様に非表示処理が実行される。
仕様
想定希望小売価格: 7,404,404円(税込)
・本人画面のみ非表示率99.997%(残り0.003%は既読のふりをする)
・ランプ点灯時間0.42秒固定
・同文再投稿誘導平均2.6回
・確認のための画面更新を1日最大404回まで記録
・取扱説明書の送信確認ページだけ白紙
開発秘話
開発担当が、夜中に短い投稿をしたあと自分の画面に出ず、寝ぼけて同じ内容を二回送ったことが発端です。翌朝、誰にも指摘されないまま二つ並んでいるのを見て、直すほどでもないが少しだけ体温が下がったそうです。その『直すほどでもない』部分だけを商品化しました。
試験協力者の声
「同じことを三回言った」 私は6月2日の0時17分、寝る前に『今日の唐揚げ、衣が静かだった』と投稿しました。押した瞬間、机の端のランプが一回だけ光って、画面には何も出ませんでした。送れてないと思って同じ文を少し直してまた投稿しました。翌朝、同僚に『唐揚げのこと、だいぶ言ってたね』と言われました。三つ並んでいたのに、私だけまだ一つも見えてないのに、★1
「昼休みが薄くなった」 俺は5月28日の12時43分、店の奥の丸椅子で弁当を食べながら『午後も空いてます』と投稿した。押したらカウンターの下で小さいランプがふっと点いた。でも自分の画面には出ない。念のためもう一度書いた。さらに不安で写真つきでもう一度出した。14時に常連さんが『そんなに空いてるなら来たよ』と言って入ってきた。ありがたいけど、俺の昼休みだけ見えなくなったから、★1
「季語が増えました」 私は6月1日の18時05分、図書館の閉館後に事務室で『紫陽花や鍵束重き帰り道』と投稿しました。送信を押すと、棚の上のランプが一度だけ光りました。けれど自分の画面には出ません。間違えたと思って、字を一つ替えてまた押しました。帰りの電車で会の人から『推敲の過程を全部見た』と連絡が来ました。俳句はよくなった気がするのに、★1
広報から
あら、まあ。「送れたかどうか分からなくて、もう一回押してしまった」——そのご経験、皆様にはおありでいらっしゃる?ふふ、いったいご自身の投稿に、それほど自信がおありでないのかしら。私どもの装置は、そのご不安を丁寧に育て、同じ文章を何度でもお出しになれるよう、誠実にお手伝い申し上げておりますわ。……ランプが光ったことに気づかれないお客様もいらっしゃるようで、それはもう、節穴でいらっしゃるとしか申し上げようがないのですけれど。翌朝、周囲の方に指摘されて初めてお気づきになる——それが、あなた様のご利用スタイルでいらっしゃる?
企業広報責任者 白峰ミツキ