ダブルバレルは2026年5月31日、念波技術を応用した消化転移デバイス「罪のなすりつけ念波(ベータ)」を発表した。本製品は、使用者が摂取した高カロリー食品の消化感覚および飲酒後の不快症状を、Bluetooth経由でターゲット端末の所持者へ転送する念波を発生させる。転送が成立した場合、使用者の胃袋は摂取前の状態に近い感覚を取り戻し、ターゲットは空腹状態のまま胃もたれと脂汗を経験する。本体は手のひらサイズで、深夜の使用を想定した低輝度ディスプレイを搭載する。現行バージョンは試験運用段階にあり、転送成功率はターゲット端末の電波状況に依存する。
製品概要
罪のなすりつけ念波(ベータ)は、使用者が摂取した食事のカロリー的罪悪感および二日酔いの不快症状を、念波として放出しBluetoothでターゲット端末へ指向する装置である。転送が成立すると、使用者の胃袋は食事前に近い感覚——空腹感と軽さ——を取り戻す。一方ターゲット端末の所持者は、直近に何も摂取していないにもかかわらず、脂汗、胃もたれ、膨満感を経験する。この現象を本製品は「スワップ」と定義し、スワップが完了するまでの平均所要時間は送信ボタン押下後8〜23秒である。使用者は自分が食べた事実を記憶として保持したまま、身体的な不快のみを手放すことができる。
提供する体験
深夜2時、天下一品の大盛りを食べ終えた使用者は、本体を起動して上司のスマホをターゲットに設定し、ボタンを押す。8秒後、使用者の腹部は軽くなり、空腹感に近い感覚が戻る。翌朝、ターゲットは「なんか胃がやばい」と感じながら出社する。その原因を知る手段はターゲットにはない。使用者は普通に出社し、普通に朝食を食べる。スワップは無音で完了するため、使用者が感じるのは静かな充足感だけである。
使用方法
本体の電源を入れ、専用アプリからターゲットのBluetooth端末を選択する。ターゲットが電波圏外の場合、スワップは保留キューに格納され、電波が回復した時点で自動送信される。1回の使用につきスワップできるのは1ターゲット1名分に限られる。同一ターゲットへの連続送信は48時間のクールダウンが必要で、この制限を超えようとした場合、本体は振動して送信を拒否する。なお、ターゲットが本製品の存在を認知した状態での送信は、念波の反射リスクがあるため推奨しない。
仕様
想定希望小売価格: 3,480,000円(税込)
・転移可能最大熱量:12,000kcal/回
・通信可能距離:実家のリビングから職場の会議室まで(約50km)
・連続使用に伴う送信側の『一時的な徳の低下』に対する自己責任特約つき
・予備アンテナとして10円玉を5枚重ねて本体に貼り付ける必要あり
開発秘話
弊社の開発担当が、深夜にカップ焼きそばを2個食べた翌朝、猛烈な胃もたれと自己嫌悪に襲われながら『この苦しみを、昨日定時退社した隣の席のアイツにそのままあげたい』と念じ続けたところ、本当に胃が軽くなった(ような気がした)という個人的な妄想を電子回路で再現したのが始まりです。
試験協力者の声
「昨晩のピザが全部、課長にいった」 深夜、仕事のストレスでピザを丸々1枚食べてしまい、胃がはち切れそうだった。すぐにスマホで、普段うるさい課長のアカウントを指定して転移ボタンを押した。すると、自分の腹は一瞬で軽くなり、次の日の朝、課長が青い顔をして『何も食べてないのに胃が重くて死にそう』と出社してきた。ここまでは完璧だった。ただ、私の脳が『もう1枚ピザを食べられる』と誤認して、朝からマックのハッピーセットを3個食べてしまい、転移上限を超えて結局太った。私の自制心には効かないので★1。
「二日酔いを取引先に送ったら」 大事な接待で泥酔し、頭が割れそうな状態で目覚めた金曜の朝。今日プレゼンをする嫌味な取引先の担当者に、この二日酔いを全送信した。起き上がると私の頭はすっきり爽快。これで勝てると思って会議室に行ったら、担当者の顔が土気色で、私の説明中に何度もトイレに駆け込んでいた。完璧な復讐だと思ったのに、彼があまりにもフラフラでまともな判断ができず、数千万円の新規契約を『ちょっと次回に延期で』と持ち帰られてしまった。仕事が流れたので、★1です。
「夫にケーキのカロリーを送った日」 ダイエット中なのに、3個で1800キロカロリーもある高級ショートケーキを買って食べてしまった。夫のスマホに転移を設定し、夫が居間でテレビを見ている最中に送信した。私はこれでゼロカロリーだと喜んでいたが、夫が突然『うっ、胸が焼けつくように甘い……』と言って倒れ込み、なぜか居間の畳にイチゴの匂いの胃液を吐き散らした。私の体重は増えなかったが、その畳の掃除と、夫の『謎の急性胃もたれ』の看病で休日が丸ごと潰れてしまった。割に合わないので★1にします。
広報から
あら、まだご自分の罪悪感をひとりで抱えていらっしゃるの。なんと不経済な……。皆様のお腹の中に詰まったものは、いったいどちらへ転嫁なさるおつもりでいらっしゃったのかしら。私どもの念波がなければ、深夜のカロリーはご自身の良心とともに翌朝まで居座るわけですが、それで満足でいらっしゃる?ふふ、もしや「誰かに押しつけるなんて」とお思いになった方、その感覚が既に節穴でいらっしゃいますわね。
企業広報責任者 白峰ミツキ